アロマテラピーに欠かせないもの、それはエッセンシャルオイル…精油。
植物から抽出した100%ピュアな自然の恵みです。
100%の植物精油を用いて、私たちの心とカラダの健康、あるいは美容に役立てようとするのがアロマテラピーです。自然療法である植物療法の、ひとつのジャンルということもできます。
精油の小瓶はけして安価なものではありませんが、その活用法を知ることで、十二分に利用したならば、むしろ「おトク」と言って過言ではありません。
アロマテラピーに興味をお持ちで、「精油は持っているけれど、部屋に香りを焚く以外のことはしていない」という方がとても多いのです。
その利用法は間違っていないけど、それだけではちょっともったいないですね。
やっぱり「精油は高い」ということになってしまいます。
精油は植物の知恵の宝庫です。
様々な使い方を覚えて、たっぷり使ってあげましょう。
ところで… 植物と人間、その生き方はずいぶん違いますね。
植物は自分の足で歩いて移動するということがありません。
それは大きな違いのひとつ。
敵が来ても逃げることができないし、嵐がきても建物の中に身を隠すこともできません。それでも生き延びるために、植物は様々な知恵をもっているのです。
アロマテラピーで用いるエッセンシャルオイルには、植物の秘密の力、まるで魔法のような宝物がいっぱいつまっています。傷ついてしまった時に自らを癒す力、たとえば樹脂。
素敵な恋人を見つけて優秀な子孫を残すために、魅力的な香りを振りまいてみたり…
悪い虫を追い払うためにも、ライバルを蹴落とすためにも(他の植物の発芽を妨げる芳香成分をもつ物もあるのです)、いろいろなことに植物は香りを使っています。
“Bloom where you are planted”という聖書の言葉があります。
「種を落としたその場所で花開け」というような意味でしょうか。
植物たちは、移動することができないという宿命に不満を述べることもなく、根を下ろしたその地で花開き、種を結ぶことに全霊を傾けます。
その健気さを、強さを思うとき、私はふと涙が出そうになるのです。
私たち人間は、植物たちの大切な精油(エッセンシャルオイル)、あるいは毎日の食卓にのる野菜たちを頂いて、自分たちの心や体の糧としているわけです。
なんとありがたく、幸せなことでしょう。大事に大事に使わせていただかなくては・・・。
みなさんお馴染みのラベンダー、私も大好きです。
ラベンダーの故郷は南仏の高地、けして肥沃な大地ではありません。地中海沿岸ですので、温暖ではありますが、土地はやせて乾燥しています。
そんな場所で、斜面にへばりつくように、ごつごつした岩につかまるように咲いている野生のラベンダーの映像を見たことがあります。
荒涼とした土地に、逞しくも可憐に、薫り高く咲く、ラベンダーという花がますます愛おしく、大切に思えました。
ラベンダーの香りを嗅いで、そっと目を閉じると、あの風景が甦り、自分も人間としてそのようにありたいと…。
植物も人間も、同じ地球という星の住人、ともに助け合って生きています。
日々の慌しさに、ともすれば自然に逆らった生き方をしている私たち…。
植物の豊かな知恵、その恵みをわけてもらって、自然の一部である自分を忘れずにいたいですね。
精油の香りにふれ、ハーブの味と感触を確かめて…。
五感を鋭敏にしておくことで、日々の生活はより鮮やかなものになるでしょう。
アロマやハーブと出会い感動する喜びを、より多くの方と共有していきたい…。
その思いこそ、私の大きな原動力なのです。